2010-03-01 (月)
狼花 新宿鮫\
大沢在昌 著
発端は、新宿中央公園からの110番通報だ。外国人どうしが喧嘩をしていて、そのうちのひとりが刃物で切られたという携帯電話からの通報だった。
交番から二名の巡査が駆けつけた。時刻は午後四時十八分だった。
現場には右手を血だらけにしたアフリカ系外国人がひとりいて、巡査に気がついたアフリカ系外国人二人が走って逃走した。うちひとりが手にスポーツバッグを所持していたのを巡査が見ている。
「要領を得ないな。彼らアフリカ系は、日本人が自分たちを低く見ていると考え、それを逆手にとっている」
桃井が息を吐いた。二人は生活安全課に戻っていた。
「もう少し時間があれば落せると思うのですが」
「勾留延長するかね」
鮫島は考え、首をふった。大麻取締法違反以外の容疑をオドメグにかけることはできない。
鮫島は男の向かいに腰をおろした。男の顔には不安が浮かんでいる。
「あの、もう一回、身分証、見せてくれるか」
鮫島はだした。
「新宿署、生活安全課、鮫島だ」
男は息を呑んだ。顔をしかめ、
「やっちまった・・・・・」
つぶやいた。
「痛ってえ。あんた、もしかして新宿鮫かよ・・・・・・」
鮫島を見た。鮫島が頷くと大きなため息を吐いた。目を閉じ、呻くようにいった。
「気づけよ。ひとりで乗りこんできて、新宿署っていわれたときに。馬鹿野郎・・・・」
どうやら自分を罵っているようだ。
組織犯罪対策部と暴力団との画策
シリーズ最大の問題作!
中高大生推薦
評価★★★★★
by 毘沙門のPIG at 12:52 |comment (2)


