「まさかうちが」 TOB反対表明で社長、自信もみせる /静岡
「まさかうちが狙われるとは」。米系投資ファンド、スティール・パートナーズによる株式の公開買い付け(TOB)への反対意見を表明した天龍製鋸(袋井市)の鈴木寛善社長は13日、浜松市内で会見し、思わず本音を漏らした。だが「株主には我々の思いを理解してもらえる」とTOBを成功させない自信もみせた。
反対の理由について、鈴木社長は「地元との良好な関係が会社を育てた。その企業価値を理解しようとしない相手では、企業価値が損なわれる」と説明した。産業用鋸製造の国内トップシェアを誇る同社は、1910年の創業の老舗。株を長期に保有する安定株主が約8割を占めるという。
同社は今後、買収防衛策を導入するが、鈴木社長は「企業価値をさらに上げることが、最も有効な対抗策になる」とした。【竹地広憲】
磐田・菊地選手逮捕 「泣きたい気持ちだ」 サポーターにも波紋 /静岡
◇ジュビロ選手逮捕
サッカーJ1・ジュビロ磐田の選手、菊地直哉容疑者(22)が県青少年環境整備条例違反(淫行(いんこう))の疑いで逮捕された13日、運営会社のヤマハフットボールクラブは磐田市のヤマハスタジアムで急きょ謝罪の会見を開いた。同社には「ショック」「泣きたい気持ちだ」など、電話やメールで多数の声が寄せられており、県内のサポーターにも波紋が広がっている。
右近弘社長(59)は会見で「誘惑の多い仕事なので選手には危機管理講習会を開いて注意を呼びかけてきたのに……。青少年、子供たちに夢と感動を提供していく会社で、こうした不祥事を起こしたことに心からおわび申し上げます」と謝罪した。
ジュビロの選手がよく訪れる市内のそば店の経営者、高垣明生さん(39)が開設するブログにもサポーターのメールが約30件も集まった。高垣さんは「チームがなくなることを懸念するメールもあった。そうならないよう祈るばかりだ」と話した。
右近社長らは14日、上京しJリーグ本部などを訪れ、今後のチームとしての対応策などを相談する予定。【平林由梨】
3基の排気筒、耐震補強を公開−−中部電力 /静岡
中部電力は11日、浜岡原発3、4、5号機の排気筒の耐震強度を増す改造工事の様子を報道陣に公開した。3本の排気筒をそれぞれ支持鉄塔で囲み加速度で1000ガルの揺れに耐えられるよう改良された。3基の原発では油タンクの改造など一部工事を残し耐震補強がほぼ終了した。
排気筒(3、4号機の高さ100メートル、5号機98メートル)の周囲に鉄筋コンクリート製基礎(地下17・5メートル〜21・5メートル)を設けて鉄塔を組み上げ、排気筒本体との間をオイルダンパと呼ばれる揺れの吸収装置でつなぐ構造。耐震強度は設計時の450ガルから大幅に改良されたという。
中電は05年1月、東海地震の想定震源域にある同原発の耐震強度を独自判断で強化すると発表。排気筒のほか配管ダクトの周辺地盤改良や原子炉建屋の天井クレーンの支持部強化などを行っている。3基の総工費は二百数十億円とみられる。
1、2号機の耐震工事はシュラウド(炉心隔壁)の取り換えに合わせて実施するため11年3月までかかる。現在設計段階で、3〜5号機と同様、支持鉄塔方式になる見込みという。【舟津進】
78源泉「安全確認を」 県内温泉施設、現地調査へ /静岡
◇可燃性ガス滞留の可能性
東京都渋谷区の温泉施設での爆発事故を受け、県は20日、可燃性のガスが発生すると思われる県内10市1町の78源泉の管理者に屋内にガスが滞留しないかなど安全確認を指示した。
県では、温泉採掘工事時にガスが発生する場合は、滞留しないよう換気施設を整備することなどを業者に指導している。しかし、営業中の定期的な検査や、危険なガス濃度の基準値の設定など、具体的な指導はしておらず、管理は施設業者任せになっているのが実態。今後は、専門家に相談して点検の基準を決めたうえで、現地調査を行う方針。
県生活衛生室によると、県内に1305カ所ある源泉中、現在も利用され、ガス発生の可能性があるのは静岡市37▽浜松市17▽掛川市8――など県中西部地域に集中している。ガスの発生は地層や掘削の深さにもよるが、県東部では確認されていない。過去に爆発や火災、異臭などの事故報告はない。
藤枝市と牧之原市などでは20日、両市が管理する温泉施設を緊急点検した。藤枝市本郷の「瀬戸谷温泉ゆらく」では、同市消防本部員が、地下500メートルから源泉をくみ上げる井戸とくみ上げた温泉をためるタンクの通気口の可燃ガス濃度を調査。通気口が汚れたりするとガスが外に排出されない可能性があるものの、ガス濃度は爆発の危険濃度を大きく下回っていた。
また、牧之原市の「さがら子生れ温泉」では、市職員がくみ上げた温泉をためるタンクに通気口があることを確認。「事故の危険性はない」とした。【望月和美、中嶋真希】
ごみ袋指定方針、有料化も検討 /静岡
浜松市は20日、09年度をめどに家庭のごみ袋を全市共通の指定制度にする方針を明らかにした。尾高紀夫環境部長が市議会で湖東秀隆議員(創造浜松)の一般質問に答えた。11年度以降のごみ処理有料化も検討するという。
市によると、旧浜松市は従来、家庭ごみを入れる袋については「45リットル以内で透明または半透明のもの」と指定し、スーパーのポリ袋でも条件が合えば利用できた。一方で旧浜北、旧天竜市域は、市が認定した市販のごみ袋でしか出せず、合併後も統一されていない。
今年度中に、市民も入る検討委員会を開催し、ごみ処理の基本計画を策定する方針。市南部にできる新清掃工場が稼働する11年以降、ごみ袋の購入代金が市に入るようにするなど、同計画に有料化を盛り込むことが検討される。【竹地広憲】
24日に 浜松市職員の自転車隊、省エネ訴え /静岡
環境省が6月24日に全国一斉の照明消灯を呼びかけているのを受け、浜松市の有志職員ら20人が20日、自転車に乗って街頭に繰り出し消灯や省エネなどを訴えた。
全国一斉消灯は省エネを訴える契機として03年から始まった。昨年は全国の約4万施設が参加し、52〜92世帯分の年間電力使用量分を節約できたという。浜松市内でも浜松城などの照明が消された。
今年の消灯時間は午後8〜10時。自転車に乗った職員は中心街を走ってJR浜松駅前に向かい、通行人に同時間の消灯や自転車通勤による省エネなどを呼びかけた。地球温暖化防止月間の12月にも街頭へ“出動”する予定だ。【竹地広憲】
県選管が事前説明会 /静岡
県選管は20日、立候補予定者向け事前説明会を県庁で開いた。これまで出馬を表明している4陣営の関係者以外に参加はなく、県選管は確定していない投開票日について来月22日と29日の両方について説明した。
初公開、空襲前の航空写真−−あすから平和資料センター /静岡
静岡空襲をテーマに写真や絵などを展示する企画展が22日から、静岡市葵区相生町の静岡平和資料センターで始まる。今回は米国立公文書館に所蔵されていた空襲前の旧市街地の航空写真が初めて一般公開される。
企画展は静岡平和資料館をつくる会が主催。航空写真はB29爆撃機が1945年4月12日に撮影したもので、一軒一軒の民家が分かるほど鮮明=写真。空襲前の旧市街地の様子を知るうえで貴重な資料といえる。静岡空襲は45年6月20日未明にあり、旧市街地が焦土となり、犠牲者は約2000人に上った。20日はその空襲から62年後に当たるため、同会のメンバーは亡くなった人たちの冥福を祈りながら、展示作業を行った。
企画展は9月23日までの金、土、日曜の午前10時〜午後4時半。入場は無料。【田口雅士】
日程変更にあたふた 自民「逆風弱くならない」 /静岡
◇「党利党略」野党批判、投票率低下危ぶむ声も
今国会の会期を12日間延長することが固まり、参院選の日程は当初予定より1週間ずれ込み、投開票日が7月29日となる見通しになった。選挙戦直前での思いがけない日程変更に、立候補予定者の陣営や選挙管理委員会はあわてて対応に追われている。
7月22日に照準を合わせてきた各立候補予定者は、遊説日程見直しなど態勢の立て直しを迫られている。
「1週間で逆風が弱くなるとは考えにくい。良いことは何もないよ」。自民新人の牧野京夫氏(48)の陣営関係者は、こうぼやく。全県を回る遊説隊の宿を探すにも夏休み料金で割高。場所によっては高級ホテルしか残っていない。公示日の出陣式のお知らせはがき計5000枚も刷り直しになる。
民主現職の榛葉賀津也氏(40)の陣営関係者は夏休み入りによる投票率低下を危ぶむ。浮動票の割合は自民より民主の方が多いからだ。連合静岡の平野哲司会長は「大集会などは組み直しだ」と話す。ただ「より綿密な運動ができる」(渡辺周県連会長)と前向きにとらえる声もある。
新人の平賀高成氏(53)を擁立する共産党県委員会の松下功委員長は「年金問題へのほとぼりをさまそうとの意図がうかがえる。党利党略だ」と自民批判の材料とする構えだ。会期延長で成立を目指す公務員制度改革法案も「天下りを容認する悪法」と批判し、支持拡大につなげたい考えだ。
正式な出馬表明から1カ月半の無所属新人、木部一氏(42)の陣営関係者は「投開票日が後ろになればなるほど知名度を上げるチャンス」との立場。ただ、1週間程度の変更では戦略の練り直しは必要なし。7月以降に予定している応援弁士を招いた演説会などが組みやすくなるメリットがありそうだという。
◇選管委「早く確定を」の悲鳴−−夏休み入り、投開票所確保難しく
既に準備作業を進めている各市町の選管は、投票所の入場券刷り直しや投開票所の再確保など対応に追われている。いずれにしても日程が正式に決まらなければ動けないため、「とにかく早く確定してほしい」(御殿場市選管)との声が上がっている。
最も面倒なのが投開票所の確保だ。「29日も押さえていた」(藤枝市や湖西市)と手回しの良い自治体は少数派。世の中は夏休み。投票所となる公民館は夏祭り、開票所に使われることの多い体育館はスポーツ団体の予約が入っていることが多い。各選管とも予約をずらせないか調整を始めたが、「複数団体が細切れに入れており、難しい」(熱海市)ケースも。浜松市は中・東・南3区の開票所に予定していた浜松アリーナをアクトシティ浜松に変更する方針。ただ、十分なスペースが確保できなければ別の施設も考えなければならない。
投票所の入場券に印刷した投票日も変えなくてはいけない。業者に発注済みの自治体が多く、刷り直し費用は15万〜30万円程度。ポスターの掲示板はシールを張って対応する。
職員配置も頭の痛い問題。29日に花火大会のある沼津市では、そちらにも職員が必要なため、保育士や学校の調理師などの動員も検討している。
参院選経費は国の予算だが、オーバーした場合に国と自治体のどちらが負担するかは、「過去にあまり例がないので分からない」(県選管)。
一方、29日に町議選を予定している南伊豆町は同日選になって経費が節減できる。人件費の大部分が国費で賄えるからだ。単独選の予算510万円より100万円程度安くなりそうだという。
都計決定を見送り 斉藤市長、渚の再開発で方針 /静岡
熱海市の斉藤栄市長は20日、熱海中央渚北地区の市街地再開発計画(0・6ヘクタール)について、「都市計画決定しない」との方針を市議会全員協議会と同再開発準備組合(吉田耕之助理事長)にそれぞれ伝えた。理由を(1)財政不足で6億円の負担は困難(2)反対署名など市民理解が不十分――とした。28日に正式決定する。
議員側からは「新たな税収で、10年で6億円を回収できる」「虫食い開発され、無規制の特区で性風俗店が進出する」など批判が相次いだ。
また組合側は「開発業者が入り、ペンシルビルなどの乱開発が迫っている。都市計画決定はそれを防ぐ唯一の手段」「署名は再開発の必要性を認めている」などと計画の必要性を訴えた。しかし斉藤市長は「乱開発もやむを得ない」などと発言し、対立した。
同市は同再開発に国、県の補助金4300万円を申請し、内示を受けていたが、都市計画決定を見送ることになった。【鈴木道弘】
5号機、運転訓練装置の運用開始 報道陣に公開 /静岡
中部電力は15日、浜岡原発5号機の運転訓練用に開発されたシミュレーターの運用を開始し、訓練の様子を報道陣に公開した。1〜4号機用の訓練装置はあったが改良型の5号機用はなく、これまでは新潟県刈羽村の沸騰水型軽水炉の訓練センターに職員を派遣していた。
新しいシミュレーターの面積は約500平方メートルで、制御盤や表示装置は5号機の中央制御室と同じ構造。コンピューターを使って各種の異常事態を装置内に発生させ、訓練員が本物の原発と同じ事態に対応できる。
この日の訓練は、昨年6月15日、5号機の発電用タービンが異常振動して原子炉が自動停止した状態を再現して行われた。5人の運転員が表示装置で異常事態を確認。連携を取りながら機器を操作して原子炉を安全な状態に誘導した。
同原発には約150人の運転員がおり2カ月に1回程度の訓練を行っているという。【舟津進】