「まず中核市を」副総務相が助言 沼津市長ら、総務省訪問 /静岡
県東部の広域合併問題で沼津、三島、裾野の3市長が27日、合併した場合に政令指定都市となる可能性を探るため総務省を訪れ、大野松茂副総務相と会談した。沼津市によると、大野副総務相は「ある程度の経験を積むためにもまず中核市(人口要件30万人)を目指し、次に政令市というのも一つの方法だ」などと段階的な手法を示唆した。
この3市を含む5市4町は合併を視野に「東部広域都市づくり研究会」(会長、斎藤衛・沼津市長)を結成している。斎藤会長は「現在の人口規模(9市町で約64万人)で政令市へ移行できるよう、国にお願いしていきたい」との談話を出した。【安味伸一】
富士山、暫定リストに 「一歩前進」喜びの声 /静岡
世界文化遺産登録を目指す富士山の暫定リスト入りが27日、ニュージーランド・オークランドで開催中の第31回ユネスコ世界遺産委員会で報告された。本登録に向けてはまだ課題も多いが、「一歩前進」に関係者からは喜びの声が広がった。
同日午後1時半ごろ、第一報を受けた県世界遺産推進室の沖隆史主幹は「国際会議で富士山の名前が呼ばれたと知りうれしかった。登録に向け機運を高めたい」と話した。県庁正面玄関前にはさっそく、「富士山が世界文化遺産候補になりました」と書かれた立て看板が設置された。
石川嘉延知事は「大変うれしい気持ちと同時に、富士山を確実に世界文化遺産として登録しなければという決意を新たにしている」とコメントした。また「富士山世界文化遺産県民の会」世話人の漆畑信昭さん(71)は「草の根運動で文化を広めてきたかいがあった」と述べた。今後県は5年後の本登録に向け、山梨県など関係自治体と連携して保存管理計画の策定などを進める。【賀川智子】
給食で90人が食べる 健康被害は未確認−−富士・吉原小 /静岡
富士市立吉原小の学校給食に、賞味期限を約9カ月過ぎたソフトチーズ(10グラム)が出され、児童や教職員計90人が食べていたことが27日、分かった。健康被害は確認されていない。
市教育委員会によると、26日昼の給食に、賞味期限が06年9月30日のソフトチーズが出され、2、4、6年生の児童81人と教職員9人が食べた。給食の時間終了後、6年生の男子児童が気付き、担任教諭に指摘した。
ソフトチーズは六甲バター(神戸市)製で、本来の賞味期限は製造後4カ月。東食品(富士宮市)が25日午後に同小に810個納入した。同社は「冷蔵庫の棚に残っていた期限切れの製品を、従業員が誤って納入してしまった」と説明している。同小は26、27日、全校児童に保護者あての手紙を持たせ状況を説明した。【田口雅士】
静岡を診る/6 全国一律の不便さ /静岡
◆国主導に地方困惑
◇「放課後子どもプラン」申請は14市町−−予算3分の1負担も不満
「はい、つま先に力をいれて」「よいしょ、よいしょ」。今月6日、午後3時。長泉町立長泉小の校庭に子供たちの元気な声が響く。竹馬、コマ、サッカー、野球――遊びに夢中の子供に交じって、派手な水色のゼッケンをつけているのはボランティアの大人たち。5年1組の越村夏帆さん(10)は「おじさんやおばさんが竹馬などの遊びを教えてくれて楽しい」とほほ笑んだ。
今年度から始まった「放課後子ども教室事業」。学童保育は共働きなど放課後も留守の家庭が対象だが、ボランティアなど「地域の教育力」を活用して、それ以外の家庭の子供の学び・遊びの場をつくるため、文部科学省が始めた事業だ。
政府は今年1月、この事業と厚生労働省所管の学童保育事業を2本柱にした「放課後子どもプラン」を公表。教育再生・少子化対策の目玉として打ち出した。だが、政府のうたい文句とは裏腹に、地方側には困惑が広がっている。
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昨年9月25日、静岡市葵区内で開かれた県内42市町の教育委員会職員と児童福祉担当職員を集めた会議。文部科学省の担当室長が「子どもプラン」を説明すると教委側から不満の声がもれた。
ある自治体の福祉担当者はこう解説する。「学童保育は必要に迫られた保護者らが下から作り上げてきた事業で、国主導で始まる子ども教室とは根本的に考え方が違う。内容は似ていても、両事業は一緒にできない。結局『プラン』は教育委員会にとって仕事が増えるということだ」
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また財政面でも自治体の不満は募る。「子ども教室」は国の事業とはいえ、予算は国、県、市が3分の1ずつ負担する。どの自治体も財政状況が厳しいなか、「上から降ってきた」効果が不透明な事業に新規予算を付けるのはちゅうちょする。政府は事業を全小学校区で実施することを掲げるが、県内42市町のうち実施申請しているのは5月末現在でわずか14市町しかない。
伊豆の国市は今年度、地域ごとに市民と子供が交流する独自の事業を始めた。内容は「子ども教室」とほぼ同じ。だが国の制度は使わない方針だ。「備品を買うのにも細かい基準があり、使い勝手が悪い」(社会教育課)。もはや地方に「全国一律」に付き合う余裕はない。=つづく
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◆メモ
◇教育と保育
文部科学省と厚生労働省に所管が分かれている子供の制度で代表的なのは教育機関としての「幼稚園」と家庭に代わって育児をする「保育園」がある。制度分立が非効率的との主張がある一方、親のニーズに違いがあるとの意見もある。
「自分で判断、難しい」 6人が裁判員役体験−−模擬裁判 /静岡
09年5月までに始まる裁判員制度を前に、静岡地裁、静岡地検、県弁護士会の法曹3者が、裁判員模擬裁判を26、27日に行った。量刑や事実認定を判断する評議では白熱した議論が展開され、裁判員らは「自分で判断する」難しさを実感していた。【望月和美】
裁判の対象は、タクシー運転手が車内で殺害されて金を奪われる強盗殺人事件。裁判官、検察官、弁護人は本物が務め、裁判員役には裁判所が選んだ20〜60代の男女6人が務めた。
検察側はスクリーンを使って殺意と計画性の有無という事件の争点をわかりやすく説明。弁護側は「検察官からの厳しい取り調べの中での供述だということを考えてください」と裁判員に訴えるなど、本当の裁判さながらに進められた。
量刑と事実認定について裁判員と裁判官が話し合う評議では、殺意の認定について「検察、弁護側双方の意見を聞き、揺れ動いています」「自信が持てない」など不安を口にする裁判員がいた。また「被告の顔はとても強盗殺人を犯すように見えない」と法廷での被告の心証を口にする裁判員もいた。
最終的には、検察側の無期懲役の求刑に対し、懲役30年の判決を下した。裁判員役を務めた自営業、野沢方美(まさみ)さんは「検察、弁護側双方の意見を聴き、自分で判断を下すのは難しい」と振り返る。また検事の一人は、「裁判員は目の前の被告の様子に気をとられすぎているように見えた」と指摘する。
地裁の鈴木健太所長は「今回の裁判員は積極的に自分の意見を言う人ばかりだったが、制度導入後はそんな人ばかりではないはず」として、裁判の進行方法などを研究するため、今後も模擬評議を重ねる意向を示した。
検察と弁護側上告 極刑判断、最高裁に /静岡
静岡市葵区の健康用品販売店で05年1月、従業員2人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた元静岡大生、高橋義政被告(27)への東京高裁の無期懲役判決を不服として、検察、弁護側双方が上告した。極刑の適用をめぐる裁判は最高裁の場に持ち込まれることになった。
高橋被告が2審判決で不服なのは、警察の任意調べ中に取調室から出ていこうとして警察官に制止された時、イスを床にたたきつけたことが公務執行妨害罪などで有罪とされたこと。1審では無罪とされており、高橋被告は「長時間の監禁状態という違法な取り調べの中にあり、公務執行妨害などには当たらない」と話しているという。
一方、殺害された竹内真知子さん(当時57歳)の夫、竹内毅さんは「ここまできたら最高裁の判断を待つだけです」とコメントを出した。【望月和美】
左目障害残った女性と示談成立 1850万円で /静岡
島田市は27日、島田市民病院(西村善彦院長)で99年10月にあった医療事故で、左目に障害が残った藤枝市内の女性(70)と1850万円で示談が成立したことを明らかにした。同日の市議会定例会最終日に関連議案を提案して可決された。
同病院によると、女性は同年10月にくも膜下出血で入院して開頭手術を受けた際、担当医が左目の筋肉などを誤って傷つけたため、左網膜はく離や眼球の運動障害が残った。女性は今も通院しており、同病院は04年12月から示談交渉を続けていた。【稲生陽】
敷地広げ、建て替えへ 静岡学園に移転要請−−知事方針 /静岡
県営草薙球場(静岡市駿河区栗原)の老朽化問題について、石川嘉延知事は19日、球場の建て替え・拡張のために、球場のある総合運動公園の敷地拡大に乗り出す方針を表明した。公園に隣接する静岡学園(同区聖一色、2・4ヘクタール)の土地取得交渉を進め、今年度中に整備方針をまとめる意向。
県議会の一般質問に答えた。具体的には、来年度に合併して移転する静岡工業高(葵区太田町、3・1ヘクタール)の跡地と同学園の土地を交換し、同学園に移転してもらう計画。県は5月下旬、同学園に土地交換を申し入れている。
県公園緑地室によると、総合運動公園は運動施設率が都市公園法上限の50%ぎりぎりで、球場拡張のためには別の施設を減らすか公園敷地を広げるしかない。石川知事は昨年9月議会で、飛び地で敷地を広げる案を示したが、最終的に市道を1本はさんで隣接する同学園敷地の取得が望ましいと判断した。
ただ同学園側は、移転先での通学時の安全性や補償費などで、現段階では計画に難色を示している。同学園を経営する学校法人第二静岡学園の植田勝男・法人本部長は「具体的な補償方法を示してくれないと交渉は始められない。課題を解決できるなら交渉に応じてもいい」と話している。
同球場は1930年に完成。ベーブ・ルースら大リーグ選抜と沢村栄治投手らが戦った由緒ある球場だが、両翼91メートルと狭く老朽化も激しいため県野球協議会(川井祐一会長)が約30万人分の署名を集め、新球場建設を求めていた。【稲生陽】
24日に 浜松市職員の自転車隊、省エネ訴え /静岡
環境省が6月24日に全国一斉の照明消灯を呼びかけているのを受け、浜松市の有志職員ら20人が20日、自転車に乗って街頭に繰り出し消灯や省エネなどを訴えた。
全国一斉消灯は省エネを訴える契機として03年から始まった。昨年は全国の約4万施設が参加し、52〜92世帯分の年間電力使用量分を節約できたという。浜松市内でも浜松城などの照明が消された。
今年の消灯時間は午後8〜10時。自転車に乗った職員は中心街を走ってJR浜松駅前に向かい、通行人に同時間の消灯や自転車通勤による省エネなどを呼びかけた。地球温暖化防止月間の12月にも街頭へ“出動”する予定だ。【竹地広憲】